サンタプレゼントパーク

SANTA CLAUS

世界のサンタと不思議な大冒険です。

   「サンタクロースのお人形」
お客様のにぎやかなお話しはいつまでも続き、時々大きな笑い声につつまれています。そのうち誰かが、二人を呼ぶ声がしました。

  「さあ、かわいい子供たち、わたしのそばへおいで。いいものをあげよう。」

二人は歓声を上げて、走っていきました。きっと大きな大きなプレゼントに違いないとお兄さんは、思いました。
二人が、大きなテーブルの方へ近づいてみると、呼んでいたのは、紫のガウンのような服を着た白いおひげのおじいさんでした。そばにいたお父さんに、街の教会の二コラス神父様だと云われたので、二人はきちんとご挨拶しました。

  「二人とも、クリスマスは楽しいかい?」
ニコラス神父は、長いガウンの袖に手を入れ、ごそごそと何かを探しています。

  「はい、とても。」二人は、答えました。

  「でも・・・。」妹が言うと、お兄さんがひじでつつきました。
お話しよりもお兄さんは、早く大きなプレゼントが欲しかったのです。

  「でも?何かね。」ニコラス神父はは、やさしい目をして妹に尋ねました。

  「本当のサンタさんに会ったことがないんです。いつも、プレゼントをくださるのに、   一度もお礼を云ってないの。」
妹の真剣な様子にニコラス神父はうなずいてこう言いました。

  「じゃあ、二人とも手をだしてごらん。」
二人は、顔を見合わせて手を出しました。

  「世界にはね、サンタさんは大勢いるんだよ。」
そう言いながら、まず妹の小さな手のひらに載せたのは、赤い洋服を着て袋をかついだサンタクロースの人形でした。

  「わあ、かわいい。サンタクロースのお人形だわ。」
妹は、大きな目を開いて大喜びです。

  「さあ、こんどは、お兄ちゃんだよ。」ニコラス神父が言うと、

  「ぼくは、男の子だよ。人形なら妹にあげてください。」と言っておじぎをすると、向こうへ行ってしまいました。

  「そうだった。男の子は、人形なんかつまらない・・・か。」
ニコラス神父は、少し笑ってこう言いました。

  「おじいさん、あたしサンタさんは、この赤い洋服を着た人だけだと思っていたけど   、 世界中には、他にどんなサンタさんがいるのか教えて。」
妹は、すこしがっかりしているニコラス神父のことには、気が付かずに言いました。

  「それじゃあ続けよう・・・・」

   世界には、
   赤い服を着たサンタさんの他に、
   どんなサンタさんがいるの?
  
 2013.12.24~25発表
クリスマスイブのパーティーで、
女の子が神父様からもらった10人のお人形は、
本当は、世界のサンタさんでした。
今夜のうちに、
世界中にプレゼントを届けなくてはなりません。
女の子とお兄さんも、
世界のサンタさんを助けるために、
一緒に空へ飛び立ちます!
・・・無事にプレゼントは届くのでしょうか?


この物語は、「旭川サンタプレゼントパーク」によるオリジナルストーリーです。
当物語の構成・文章・写真・画像・イラスト等の無断転載及び使用を禁じます。
(1998.3.31作  作者 寿 実氏)

  「クリスマスパーティー」
  「サンタクロースのお人形」
  「マロース、ロチアとべファーナさんは、どんなサンタなの?」
  「マダム・ノエル、ファザークリスマスの次のお人形は・・・・・!」
  「もらった10人のお人形さん」
  「時計が12時になりました・・・」
  「私達は、世界のサンタです。メリークリスマス!」
  「クリスマス・イヴの夜」
  「世界のサンタからのプレゼント」
  「世界中に届くプレゼントの秘密」
  「サンタを信じる子供たち」
  「クリスマスの朝」